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韓国鉄道公社351000系 <交流電車> 盆唐線、水仁線
1次車〜3次車 GTO−VVVF(旧2000系)

前照灯がLED化された351017F(大母山入口駅)


<2000系時代> 今では見られない梧里行きの行先表示(牡丹駅)


<動画> 前照灯がLED化された351017F。東芝の音がトンネルに響きます(大母山入口駅)

1994年開業の盆唐線で使用されている交流電車です。果川線・安山線用にも製造された2000系(現在の341000系)として大宇重工業と韓進重工業で製造されましたが、盆唐線は全て交流電化のため、交直転換器等の直流関連機器を装備しない交流専用電車となっています。編成は4号線系統が10両編成に対して盆唐線は6両編成、保安装置はATCでワンマン運転に対応しています。2011年の改番で4号線系統と区別するため、351000系となりました。車体のカラーリングは当初は2000系オリジナルのオレンジ色の帯でしたが、当時の終着・水西駅で3号線とラインカラーが被るため、利用客の一部に直通運転をしているという誤解を与えたようです。これが原因かどうか分かりませんが、KORAILの新CI導入後に黄色+青色に変更されました。主変換装置はGTOを使用した宇進産電製の「MCK01C」で、341000系と全く同じです。
2000系は4号線系統(始興基地・交直両用車)と盆唐線(盆唐基地・交流専用車)に所属していましたが、2011年4月以降、4号線系統が「341000系」、盆唐線は「351000系」に形式変更がされ、盆唐線編成は別形式となりました。1次車(1993年、1995年製01F〜16F)と2次車(1996年製17F、18F)、3次車(1999年製19F〜22F)の差はありませんが、1次車は当時計画されていた新路線と盆唐線を直通運転させるため、341000系と同様に交直両用で製造されたのが特徴でしたが、後にその計画はなくなったため、直流関連の機器は撤去されています。
>>走行音(2555) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 キョンウォン大→太平 (2008年2月)

>>走行音(2555) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 太平→牡丹 (2008年2月)

>>走行音(2556) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 水西→大母山入口 (2008年2月)

>>走行音(2556) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 大母山入口→開浦洞 (2008年2月)
341000系と同じ音です。盆唐線は全線が交流電化のため、交流区間特有の音となります。ほぼ全線が地下なので、CI装置と主変圧器(MTr)のブロワー音がトンネル内に響き、モーターからの音が若干掻き消されます。
4次車(351023F〜351028F・旧2000系)
前照灯がLED化された351028F(大母山入口駅)


<2000系時代> 一時的に存在した宝亭行きの表示を出した2085F(福井駅)


<動画> LED化された前照灯が眩しく光る351023F(大母山入口駅)

盆唐線水西〜宣陵間の延伸に伴い、2003年に2000系の2082F〜2087Fとして6編成が増備されました。製造は現代ロテムです。このグループから車体前面が丸みのある形状に変更されました。このデザインは341000系の2次車と同じですが、341000系2次車は前面形状が変化しただけで他の部分は従来車と全く同じなのに対して、盆唐線の増備車は側面窓ガラスが大型の固定式ガラスに変更され、内装も一新しています。行先表示器は当初からLED式となっています。主変換装置は従来車と同じ宇進産電製の「MCK01C」ですが、車体構造の違いが影響してモーター音の伝わり方が従来車とかなり異なります。低音が効いた重厚な響きがします。この特徴は311000系の43F以降と同じです。
>>走行音(2585) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 ハンティ→宣陵 (2008年2月)

>>走行音(2585) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 太平→牡丹 (2008年2月)

>>走行音(2586) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 野塔→牡丹 (2004年4月)

>>走行音(2586) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 キョンウォン大→福井 (2004年4月)

>>走行音(2587) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 太平→九龍 (2005年4月)

>>走行音(351428・ドアエンジン更新車) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 宝亭→駒城 (2017年3月)

>>走行音(351428・ドアエンジン更新車) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 駒城→新葛(2017年3月)

>>走行音(351428・ドアエンジン更新車) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 霊通→網浦 (2017年3月)
従来車と同じ宇進GTOですが、音の伝わり方がまるで異なります。低音が効いた重厚な音で、世界のVVVF車の中でもトップクラスの素晴らしさだと個人的に思っています。車体が違うだけでなぜここまで差が出るのか本当に謎です。
主回路装置更新編成

前照灯がLED化された351006F(大母山入口駅)

1〜3次車を中心にCI装置の更新が進められています。更新後はGTOからIGBTとなり、東芝が原設計で宇進産電が製造した「COVO52」型CI装置が導入されています。現在、01〜08F、10F、13F、15F、16F、19Fが更新されています。今のところ、3次車はGTOのまま健在です。
>>走行音(351103) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 大母山入口→開浦洞 (2017年3月)

>>走行音(351103) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 道谷→ハンティ (2017年3月)

>>走行音(351119) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 美金→梧里 (2017年3月)
韓国鉄道公社標準の宇進IGBTなので、起動はIGBTで回生はGTOという独特なパターンの音がします。全線が交流電化なので、長めの非同期モードが堪能できます。5〜7次車と比べると低音が弱く、全体的に音も小さめです(341000系の更新車と同じですね)。
5〜7次車(盆唐線編成)

往十里延伸用の6次車、351034F(大母山入口駅)


水原延伸用の7次車、351043F(大母山入口駅)


<動画> 大母山入口駅に到着する6次車351036F、宇進産電IGBTの独特な音が響きます。

盆唐線の宝亭〜水原、宣陵〜往十里への延伸に伴い増備されたグループです。製造は現代ロテムで、1号線系統の311000系8次車以降をベースとした車体が採用され、前面形状が大きく変化しました。CI装置はIGBTで、標準となっている宇進産電製の「COVO52」です。車内では天井に設置されていたLED式の案内表示器がLCDへ変更されています。この世代の車両から、ドアエンジンが空気式から電気式へ変更されており、日本でも馴染みのあるスクリュー軸駆動が導入されました。
器興延伸用の5次車(29F〜33F)は客室貫通扉がタッチ式の自動ドアに、往十里延伸用の6次車(34F〜40F)は中央線用321000系(8連)の一部編成から中間車2両を抜いて351000系に組み込むことによって製造コストの削減を図りましたが、6連に減車された321000系は不評であったため、中央線の運行体制を元の8連で見直し、中間車を抜かれた一部の321000系は現代ロテムで中間車2両を新製するという本末転倒な結果となりました。水原延伸用の7次車(41〜43編成)では水仁線への直通運転に備えてATSが追加されたほか、前照灯がシールドビームからLEDに変更されました。ハイビーム時にかなりの高輝度で光る白色LEDが特徴です。なお、客室貫通扉の自動化と前照灯のLEDは1〜4次車でも改造工事で取り付けられており、貫通自動ドア化は351000系全編成で完了しています。
>>走行音(6次車・351137) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 網浦→梅灘勧善 (2017年3月)

>>走行音(6次車・351137) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 梅橋→水原 (2017年3月)

>>走行音(6次車・351439) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 開浦洞→九龍 (2017年3月)

>>走行音(6次車・351140) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 狎鴎亭ロデオ→ソウルの森 (2017年3月)

>>走行音(7次車・351143) 128Kbps RA10

収録区間:盆唐線 嘉泉大→太平 (2017年3月)
定番となった宇進IGBTです。音の響き方は1〜3次車の機器更新車とは異なり、低音がよく出ていて非同期モードの高音とのバランスがとても良いです。全体的に音が大きく車内にもはっきり伝わってきます。GTO車でも4次車が同じ特徴ですが、車体が違うだけでここまで差が出るのは不思議です。

■車両細部の紹介

4次車のMCK01C主変換装置(表側)

宇進産電製のGTO−CI装置で、東芝が原設計となります。351000系では全編成が宇進産電製です。311000系や341000系と同じ装置になります。4次車は音の響き方がかなり異なりますが、CI装置は全く同じです。

5次車・351231号車

5次車以降はIGBTを使用した宇進産電製のCOVO52主変換装置になりました。側面の大型一枚ガラスは4次車以降の特徴です。屋根上のパンタと高圧導体を支える碍子は、新製時からポリマー碍子です。

4次車の車内

大邱地下鉄火災事件を教訓に内装の難燃化工事が実施され、現在では全て完了しています。内装や座席が新しい素材に変更されています。天井のLED表示器は5次車以降、LCDへ変更されました。

LED化された前照灯

351000系では地下区間が多いためか、他形式よりも前照灯のLED化が進んでいます。4次車と5次車以降は全編成でLED化が完了していると思われますが、1〜3次車はまだ未更新の編成もいます。かなりの高輝度LEDなので、ハイビーム時にはトンネル内をかなり明るく照らすことができます。

ドアのエッチング加工(4次車)

韓国の電車に乗ってまず驚くのが、このドアの模様ではないでしょうか。一般的なステンレス製のドアですが、客室側にはエッチング細工が施されており、この模様は車両の所有会社や製造時期によって異なります。351000系だけでも3種類存在します。4次車の模様はKORAILロゴの一部が刻まれたもので、韓国鉄道公社で製造時期が比較的新しい車両では一般的なものです。

 
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