トップページ >> ソウルの電車 >>

韓国鉄道公社341000系 (旧2000系) <交直流電車> 安山線、果川線、地下鉄4号線
1次車 GTO−VVVF

前照灯がLED化された341017F(半月駅)


<2000系時代> 蘆原駅を発車する2040F


<2000系時代> 衿井駅に進入する2046F(旧塗装)

果川線の開業と地下鉄4号線の直通運転開始に備え、韓国初のVVVFインバータ制御車として1993年から「2000系」形式で製造された交直両用の通勤型電車です。当初は6両編成でしたが、後に10両化されています。製造は韓国の現代精工、韓進重工業、大宇重工業が担当しました。車体は日本の205系をベースとしたステンレス製で、20m車体・4扉という日本の一般的な通勤車と同じ設計ですが、日本の電車と比べて車幅が3120mmもあるので車内が広く感じます。台車はJRで実績があるDT50/TR235系と同一設計の円錐積層ゴム式ボルスタレス台車が採用されました。主変換装置(CI)と主電動機は日本の東芝が担当し、1993年に製造された試作編成(当時の2030F)とその後の初期量産編成は日本の東芝製、後期編成と2次車は韓国の宇進産電がライセンス生産した製品を導入しています。宇進製のCIは東芝製と完全に同一の製品であり、いずれも「MCK01C」という形式の1C4MのGTO−VVVFで、パワーユニットの冷却は日本の300系新幹線と同様の送風機による強制通風式です。主電動機は強力な200kWで、駆動装置はWNカルダンとなっています。
2000系は4号線系統(安山基地・交直両用車)と盆唐線(盆唐基地・交流専用車)に所属していましたが、2011年4月以降、4号線系統が「341000系」、盆唐線は「351000系」に形式変更がされ、盆唐線編成は別形式となりました。1次車初期編成(1993年、1995年製01F〜22F)と後期編成(1996年製23F〜25F)は特に差はありません。
>>走行音(交流・341116/安山急行) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 衿井→山本 (2017年3月)

>>走行音(交流・2741) 128Kbps RA10

収録区間:果川線 衿井→ポムゲ (2004年4月)

>>走行音(直流・2736) 128Kbps RA10 ←直流区間に入ると音に明確な変化が出ます。

収録区間:4号線 ソウル駅→淑大入口 (2004年4月)

>>走行音(直流・2736) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 淑大入口→三角地 (2004年4月)
東芝GTOの特徴が非常によく現れています。回生制動時の音の変化はJR207系900番代や207系1000番代と同じです。交流区間(韓国鉄道線内)と直流区間(地下鉄線内)では変調音が異なり、直流区間では非同期モードの次の変調がはっきりとした音になり、3段階目の変調音が短くなるのが特徴です。強制通風式のパワーユニットなので、CI装置からはブロワーの音が常に響いています。高速域では「キーーン」という高い音が響き、WNカルダン特有の音はあまり感じられません。
2次車(341026F〜341030F、※341026Fは機器更新済)

修理山駅に進入する341030F


<2000系時代> 蘆原駅に進入する2080F


<2000系時代> 安山駅に留置中の2077F(旧塗装)

341026F(旧2077F)以降の増備車では前面形状が変更されてイメージが大きく変わりました。この前面形状が丸いことから、現地では「トングリ」と呼ばれているそうです。トングリとは「丸い」という意味があります。このデザインは後に登場する盆唐線用の3次車(現在の351000系351023F〜351028F)や5000系増備車(現在の311000系311043F以降)にも採用されることになり、韓国鉄道の新標準型とも言える存在です。341000系のトングリの場合、従来の2000系の前面を変えただけという点が特徴です(他形式では内装や側面窓ガラスの大きさなどが変化しています)。3次車のCI装置は全て宇進産電製となっています。
2077F

>>走行音(直流・2577) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 吉音→彌阿サムゴリ (2005年4月)

>>走行音(直流・2577) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 彌阿サムゴリ→彌阿 (2005年4月)

>>走行音(直流・2577) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 水踰→雙門 (2005年4月)

>>走行音(直流・2577) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 雙門→倉洞 (2005年4月)

>>走行音(直流・2577) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 倉洞→蘆原 (2005年4月)

>>走行音(直流・2577) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 上渓→タンゴゲ (2005年4月)

2078F

>>走行音(直流・2778) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 舎堂→南泰嶺 (2004年4月)

>>走行音(交流・2778) 128Kbps RA10

収録区間:果川線 坪村→ポムゲ (2004年4月)

>>走行音(交流・2778) 128Kbps RA10

収録区間:果川線 ポムゲ→衿井 (2004年4月)

2079F

>>走行音(安山始発・交流・2379) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 安山→工團 (2005年4月)

>>走行音(交流・2379) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 工團→古棧 (2005年4月)

>>走行音(交流・2379) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 漢大前→常緑樹 (2005年4月)

2081F

>>走行音(交流・2781) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 工團→安山 (2004年4月)

>>走行音(安山始発・交流・2381) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 安山→工團 (2004年4月)

>>走行音(交流・2381) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 工團→古棧 (2004年4月)

>>走行音(交流・2381) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 古棧→中央 (2004年4月)

>>走行音(交流・2381) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 漢大前→常緑樹 (2004年4月)

>>走行音(交流・2381) 128Kbps RA10

収録区間:安山線 山本→衿井 (2004年4月)

>>走行音(交流・2381) 128Kbps RA10

収録区間:果川線 衿井→ポムゲ (2004年4月)
音は従来編成と同じですが、中速域で低音が響くのが特徴です。車体構造は1次車と同じはずですが、1次車よりも音がはっきりと聞こえてくるので、前面デザインと合わせて個人的に大好きなグループです。
主回路装置更新編成

修理山駅に進入する341003F


<2000系時代> 2003年に試験的に更新されていた2051F

2000系時代の2003年から2051F〜2054F、盆唐線用の2067FではCI装置が2レベルIGBTを使用した宇進産電製の「COVO52-A0」に更新されていました。このCI装置は東芝が原設計で、宇進が東芝の技術を元にライセンス生産をしています。2000系時代は数編成のみの更新でしたが341000系に形式変更後は機器更新が本格化し、現在では341001F〜341003F、341005F、341008F、341018F〜341023F、341025Fと2次車の341026FがIGBT化されました。なお、COVO52-A0主変換装置は韓国鉄道公社の「品質保証指定品」とされ、他形式でも積極的に導入されています。
>>走行音(交流・341221) 128Kbps RA10

収録区間:果川線 競馬公園→ソンバウィ (2017年3月)

>>走行音(交流→直流・341221) 128Kbps RA10

収録区間:果川線→4号線 ソンバウィ→南泰嶺 (2017年3月)

>>走行音(直流・341221) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 南泰嶺→舎堂 (2017年3月)

>>走行音(直流・341221) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 舎堂→総神大入口 (2017年3月)

>>走行音(2次車・直流・341826) 128Kbps RA10 ←更新された2次車です。1次車よりもはっきり聞こえてきます。

収録区間:4号線 蘆原→倉洞 (2017年3月)

>>走行音(直流・2553) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 新龍山→三角地 (2008年2月)

>>走行音(直流・2553) 128Kbps RA10

収録区間:4号線 淑大入口→ソウル駅 (2008年2月)
東芝が原設計のため起動時はJR813系1000番や阪神9300系と同じ系統の音がしますが、起動と回生でパルスモードを大幅に変えているため、回生時はGTOインバータの今は亡き、JR209系910番代に似た同じ音がします。いずれも東芝の音なのですが、このようなパターンは日本の電車では例がありません。どういうわけか、1次車の車体は車内に音が伝わりにくいようで、311000系の後期車などよりもはっきりしません。交流区間に入ると非同期モードが長くなりますが、1次車では直流区間よりも余計に聞こえにくくなります。その一方、2次車で唯一更新されている341026FはGTO時代の特徴を受け継いでおり、IGBTになっても音がはっきり聞こえてきて、中速域以降で低音が響くのも健在です。
主変換装置、車両設備
■主変換装置(CONVERTER/INVERTER)

MCK01C主変換装置(表側)

MCK01C主変換装置(裏側)

このMCK01C型主変換装置は初期量産編成では東芝製、それ以降は東芝の技術提携を受けた宇進産電製となっています。パワーユニットの冷却が強制通風式ですので、CI装置からはブロワーによる送風音がします。装置自体も独特な形をしていて、「表側」には3分割の部分がありますが、公式の資料によると一番左側がインバーターモジュール、残りの2つがコンバーターモジュールだそうです。「裏側」はフィルターになっていますので、ブロワーの入気側と思われます。

東芝府中事業所にある資料

MCK01C主変換装置が東芝府中事業所内にあるパネルに写真付きで掲載されています(許可を得て撮影)。主電動機が東芝の技術であることも、この資料から判明できます。

COVO52-A0主変換装置(インバータ側)

IGBTを使用した宇進産電製のCIです。MCK01C型と同様、装置の形状は両側面で異なっており、インバータ側ではU・V・W各相のパワーユニットがあります。

COVO52-A0型主変換装置(コンバータ側)

こちらはインバータ側の反対に位置しているコンバータ部です。いかにも東芝らしい?形状をしています。

■台 車

ボルスタレス台車(T車)

日本国有鉄道が開発したDT50、TR235系円錐積層ゴム式ボルスタレス台車がベースとなっており、韓国製ではありますが外見は本当にそっくりです。空気バネのLV調整棒や差圧弁など、とにかく形状が日本のままですね。この台車は韓国のVVVF車の標準装備品となっており、特にソウルで活躍するVVVF車は全てこの台車を履いています。

■車両設備

旧塗装M車(2730号車)

韓国鉄道公社の現行CIが登場する前は、オレンジ色の帯が旧2000系の特徴でした。交直両用でダブルパンタのため、パンタ周辺の機器や導体を支える碍子が物々しいです。

新塗装M車(341200号車)

現在は韓国鉄道公社のイメージカラー(青)と、4号線のラインカラー(ライトブルー)を組み合わせたデザインに変更されています。2009年以降ではパンタグラフと導体を支持している磁器製碍子をポリマー碍子に交換する更新工事が実施され、見た目がすっきりしました。

難燃化施工前の車内

大邱地下鉄火災事件を教訓とした徹底的な難燃化対策を全編成で実施しましたが、これはその対策前の2000系オリジナルの車内です。化粧板や座席モケットが現在と大きく異なります。最近では全編成で貫通路のドアが自動ドアに改造されています。

2000系ミュージックホーン 128Kbps RA10

空笛とは別にミュージックホーンを搭載しています。5000系のミュージックホーンと比較してみるとわかるのですが、2000系のミュージックホーンは1音1音が繋がったような音になっているのが特徴です。たまに地下鉄内で使用することがあります。公開するファイルは走行音を収録していたときに、対向に進入してきた2000系が使ったので偶然に収録できたものです。このミュージックホーンは元からあまり使わない傾向にでしたが、最近ではほとんどの駅でスクリーンドアが設置されたため、使用頻度は更に低下してしまいました。

車内案内表示機

日本の一般的な電車ではドア上に設置されていますが、KORAIL車とメトロ車は天上に枕木方向で設置されています。

・行先表示機 ハングル表示英字表示

「タンゴゲ」行きの表示です。元々は普通の方向幕でしたが、難燃化対策の更新がされた際にLED式に交換されました。東急5000系のように、ローマ字も交互に表示されます。

 
Copyright(C) 鼎(Kanae) All Rights Reserved.